第14回:大ベストセラー/バットモービル(CORGI
#267)
わたしが少年時代、テレビでは実に多くのアメリカをはじめとした海外のドラマやアニメーションが放送されていた。アメリカの人気コミック・『バットマン』も1966年からアメリカ「ABC-TV」でドラマとして制作され、日本でも放送されていた。『バットマン』は当時の人気の「スーパーマン」などと違って、「こうもり男」らしく夜のシーンが主体なので、どうしても暗いイメージがつきまとう。そんな中『バットマン』や『ロビン少年』の活躍以上に、彼らが乗る【バットモービル】のかっこよさに心おどらせていたものだった。このTV版に登場する【バットモービル】は、フォードが1955年のショーカーとして発表した「リンカーン・フューチュラ」をベースに、ホットロッドや映画の劇中車のデザイナーとして有名な「ジョージ・バリス」がデザインしたもので、実車は現在も存在している。
今回紹介するモデルは英国コーギー社が1966年に発売した、『バットモービル』の初期タイプ。このシリーズは他のバリエーションと共に、1979年まで作られ、実に490万個以上が販売された。同じコーギー社の「007・アストンマーチン」と共にミニカーの大ベストセラーとなっていた。このモデルは当時全盛期のコーギー製品らしく様々なギミックを備えている。『バットマン』と『ロビン』のフィギュアーをはじめ、フロントからはのこぎりが飛び出し、リヤからは排気ファイヤーが出たり、ロケットの発射口からは実際にロケット弾が発射できる。気に入っているところは、独特の質感をもたらしている、半つや消しのブラック塗装。この点で最近のマテル製品にはない存在感をもたらされている。パッケージのデザインはコミックのイラストをあしらった、車も展示できるようになるとても良い雰囲気を持つすばらしいものである。トータルに見て英国製量産ミニカーの真髄をいまに伝えてくれるモデルのひとつと言えるだろう。。
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